ジスモンディの「政治経済学新原理」が関係する学問
政治経済学
ジスモンディの主著である「政治経済学新原理」は、その名の通り政治経済学の書物です。彼は本書において、アダム・スミス以来の古典派経済学が前提としていた「経済の自然調和」という考え方に真っ向から反対し、現実の資本主義経済には生産過剰や恐慌、貧富の格差といった問題が不可避的に生じることを指摘しました。
歴史学
ジスモンディは歴史にも造詣が深く、歴史的な視点から経済現象を分析する重要性を説びました。彼は、経済法則は時代や社会状況によって変化するものであり、普遍的な法則として捉えるべきではないと主張しました。
社会学
ジスモンディは、経済活動は単なる物質的な豊かさの追求ではなく、人間社会における複雑な関係性の中で行われることを強調しました。彼は、経済学が社会全体の幸福に貢献するためには、倫理や道徳といった側面も考慮する必要があると説きました。
倫理学
ジスモンディは、経済活動においても倫理や道徳が重要な役割を果たすべきだと考えました。彼は、利潤の追求のみを重視する経済活動は、社会全体の幸福を損なう可能性があると警告し、経済活動は社会正義や人道主義に基づいて行われるべきだと主張しました。
彼の思想は、後の社会主義や福祉国家論に大きな影響を与えました。