## ジェイムズの心理学原理の思考の枠組み
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意識のストリーム
ジェームズは、意識は断片的な要素の集合体ではなく、 **連続した流れ** であると主張しました。彼はこの考えを “意識の流れ” と呼び、思考は静止したものではなく、常に変化し、動き続けていると説明しました。
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選択的注意
意識の流れの中で、私たちは常に膨大な量の感覚情報にさらされています。しかし、私たちの意識は限られており、すべてを処理することはできません。そこで、ジェームズは **選択的注意** の重要性を指摘しました。選択的注意とは、意識が特定の情報に焦点を当て、他の情報を無視するプロセスです。
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習慣
ジェームズは、 **習慣** が人間の行動や思考に大きな影響を与えると考えました。習慣とは、反復によって神経系に刻まれた行動パターンです。習慣は、意識的な努力を必要とせずに、自動的に行動することを可能にします。
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感情
ジェームズは、感情は生理的な変化に対する **意識的な経験** であると主張しました。彼は、従来の感情の捉え方(刺激→感情→生理的変化)を覆し、「刺激→生理的変化→感情」という **ジェームズ=ランゲ説** を提唱しました。
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自己
ジェームズは、自己を **経験の主体** と **経験の対象** の二つの側面から捉えました。経験の主体は “私” と呼ばれ、思考、感情、意志などを経験する意識そのものです。一方、経験の対象は “私” によって認識されるものであり、身体、能力、社会的な役割などが含まれます。