シュミットの政治的なものの概念の企画書
問題意識
第一次世界大戦後のドイツは、敗戦による国家の危機、経済の混乱、社会の不安など、深刻な状況に直面していました。
ワイマール共和国は、議会制民主主義を採用しましたが、その正当性や有効性に対しては、様々な立場から疑問や批判が投げかけられました。
このような時代背景の中で、カール・シュミットは、政治現象の本質を明らかにし、近代国家と法、議会制民主主義の限界と可能性を考察する必要性を痛感していました。
研究目的
本研究は、政治現象を他の領域から区別する独自の基準を提示し、政治の概念を規定することを目的とします。
具体的には、友敵関係という概念を軸に、政治的なものの本質に迫ります。
そして、この政治的なものの概念を手がかりに、近代国家と法、議会制民主主義の抱える問題点を分析し、その在り方を問い直します。
研究方法
本研究では、以下の方法を用いて研究を進めます。
* **文献研究:**
* 政治思想史、法哲学、国家学などの既存の研究を批判的に検討し、本研究の理論的な枠組みを構築します。
* 特に、マックス・ヴェーバー、ハンス・ケルゼンなどの同時代の学者の議論と比較しながら、シュミットの政治思想の独自性を明らかにします。
* **テキスト分析:**
* シュミットの主要著作を精読し、彼の論理展開、概念構成、歴史認識などを分析します。
* 特に、『政治的なものの概念』を中心に据えつつ、他の著作との関連性を考慮しながら、体系的な理解を目指します。
想定される読者
本研究は、以下のような読者を想定しています。
* 政治学、法学、哲学などを専攻する大学生、大学院生
* 政治思想史、法哲学、国家学などの研究者
* 現代社会における政治の諸問題に関心を持つ一般読者