## シェリングの人間的自由の本質の感性
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感性と自由の関係性
シェリングにとって、人間存在の根底には「**感性**」と呼ばれるものが存在します。感性は、意識と無意識、主体と客体の根底にある、いわば「原初的な同一性」とでも言うべきものです。シェリングは、この感性を単なる受動的な感覚器官としての理解ではなく、世界と能動的に関わり、自己を形成していく原動力として捉えました。
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感性における自由の萌芽
シェリングは、感性の中にこそ自由の萌芽があると見ます。感性は、外界からの刺激を受容する一方で、その刺激に対して独自の反応を示します。つまり、感性には外界からの決定に還元されない、自発的な活動が含まれているのです。
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芸術における感性と自由
シェリングは、芸術作品において、この感性の自由な活動が最も顕著に現れると主張します。芸術作品は、作者の意識的な意図を超えた、感性の無意識的な表現です。芸術家は、感性を媒介として、絶対者(神)の創造活動に参加し、新たな世界を創造するのです。
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感性の陶冶と自由の拡大
シェリングは、感性の陶冶の重要性を強調します。感性を陶冶することによって、人間は受動的な存在から脱却し、より自由で創造的な存在へと高められると考えたのです。