## シェイクスピアの恋の骨折り損の話法
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韻律と脚韻
「恋の骨折り損」は、シェイクスピアの作品の中でも特に韻文の割合が高い作品として知られています。 喜劇らしい軽快さを表現するために、五歩格の弱強五歩格を基本として、様々な韻律を駆使しています。 特に、登場人物たちのウィットに富んだやり取りには、脚韻を踏んだ対句表現(スティコミシア)が多く用いられ、テンポの良い会話劇を生み出しています。
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言葉遊び
本作では、言葉遊びがふんだんに使われていることも特徴です。登場人物たちは、駄洒落、皮肉、比喩などを巧みに操り、互いの知性を競い合います。特に、高貴な身分でありながら俗語を好んで使うアラゴン王女とその侍女たちは、その言葉のセンスの鋭さで、男性陣を翻弄します。こうした言葉遊びは、登場人物たちの性格描写を深めると同時に、観客に笑いを提供する役割も担っています。
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修辞法
シェイクスピアは、「恋の骨折り損」において、様々な修辞法を駆使することで、登場人物の感情や情景を鮮やかに描き出しています。 例えば、比喩や擬人化は、登場人物の心情をより豊かに表現し、反語や誇張は、彼らの滑稽さを際立たせる効果を生み出しています。 また、劇中では、ラテン語の引用や文学的な allusion が頻繁に登場しますが、これは登場人物の教養の高さを示すと同時に、当時の観客への知的サービスとしての役割も担っていました。