シェイクスピアのリチャード三世の主役

リチャード三世の人物像

リチャード三世は、シェイクスピアの史劇「リチャード三世」の主人公であり、狡猾で、野心的で、冷酷な人物として描かれています。彼は生まれつき身体的な障害を持っており、それを生涯の屈辱と見なし、王位への道を切り開くためにあらゆる手段を尽くそうとします。

外見と性格

劇の冒頭で、リチャードは自身の外見を「醜い」と表現し、「生まれつき不具で、未熟児としてこの世に投げ出された」と語っています。彼は自分の背中が曲がっていることや腕の奇形を恥じており、それが彼の歪んだ性格の原因であることを示唆しています。リチャードは非常に雄弁で、言葉巧みに人を操り、自分の意志に従わせることが得意です。彼は自分の目的を達成するために、嘘、裏切り、殺人など、どんな悪事にも手を染めます。

リチャードの野心

リチャードの最大の野心は、イングランド王位を手に入れることです。彼は自分の兄エドワードが王位に就いている間も、常に陰謀を企てています。リチャードは、自分の邪魔になる者を次々と排除し、巧みな策略と冷酷な手段で王位に近づいていきます。

リチャードと観客の関係

リチャードは極悪な悪役として描かれているにもかかわらず、観客は彼の知性、雄弁さ、そしてある種の暗い魅力に惹きつけられます。彼はしばしば観客に語りかけ、自分の計画や心の内を明かします。これにより、観客は彼の視点から物語を体験し、彼の複雑な心理に一定の理解を示すようになります。

史実との関係

シェイクスピアの「リチャード三世」は史劇ではありますが、歴史的な正確さよりも劇的な効果を重視しています。リチャード三世は、シェイクスピアによって誇張され、戯曲化された悪役として描かれている点は留意が必要です。

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