## シェイクスピアのから騒ぎの構成
###
構成の特徴
「から騒ぎ」はシェイクスピアの喜劇に典型的な構成要素を多く含んでいます。 主筋と副筋が複雑に絡み合い、登場人物たちの策略や誤解、恋の駆け引きがスピーディーな展開で描かれます。
###
主筋：ベネディックとベアトリスの恋
* 当初は互いに結婚を軽蔑し、ウィットに富んだ言葉で言い争う関係。
* 周囲の策略によって、お互いへの愛情に気づかされる。
* 言葉の応酬で隠されていた愛情が、クライマックスで露わになる。
###
副筋：クローディオとヒーローの恋
* ドン・ジョン一味の陰謀により、婚約直前にヒーローの貞節が疑われる。
* クローディオは式場でヒーローを拒絶し、悲しみに暮れたヒーローは仮死状態となる。
* 陰謀が暴かれた後、クローディオは自分の誤解を反省し、和解と結婚に至る。
###
その他の要素
* ドグベリー率いる夜警隊の滑稽な描写は、緊張感の高い場面の合間に笑いを提供する。
* 劇中劇や音楽、ダンスなどの要素が、祝祭的な雰囲気を盛り上げる。
###
時間と場所
* 舞台はイタリアのメッシーナ。
* 物語は数日の間に展開する。
###
言語
* シェイクスピアらしい韻文と散文の巧みな使い分け。
* ウィットに富んだ言葉遊びや比喩表現が、登場人物たちの個性を際立たせる。