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ゲーデルの不完全性定理の技法

ゲーデルの不完全性定理の技法

ゲーデル数化

ゲーデルの不完全性定理の証明において中心的な役割を果たすのが、ゲーデル数化と呼ばれる手法です。
これは、数論の形式体系における記号、式、証明を自然数に対応付ける手法です。
具体的には、各記号に固有の番号を割り当て、式や証明を構成する記号列を、それらの番号から一意に定まる自然数に変換します。

この手法を用いることで、形式体系内で表現されるメタ数学的な言明、つまり形式体系自身についての言明を、自然数に関する言明に翻訳することが可能になります。

対角化

ゲーデルの不完全性定理の証明には、対角化と呼ばれる手法も用いられます。
これは、集合論におけるカントールの対角線論法と類似した手法で、形式体系内で自身のゲーデル数を言及するような自己言及的な文を構成するために利用されます。

具体的には、形式体系内で「xは証明可能ではない」というような述語を考え、この述語自身のゲーデル数をxに代入することで、 「自分自身は証明可能ではない」という自己言及的な文が得られます。

表現可能性

ゲーデルの不完全性定理は、形式体系における表現可能性の概念にも深く関わっています。
表現可能性とは、ある形式体系において、特定の性質や関係を表現する能力を指します。
例えば、自然数の加法や乗算は、ペアノ算術のような適切な形式体系において表現可能です。

ゲーデルは、形式体系が十分に強力であれば、自身の証明可能性の概念もその形式体系内で表現可能であることを示しました。
つまり、形式体系内で「文Aは証明可能である」という言明を表現する式を構成することができるということです。

これらの技法を組み合わせることで、ゲーデルは、自然数論を含む特定の形式体系において、真であるが証明不可能な文が存在することを証明しました。

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