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ケルゼンの自然法論と法実証主義に匹敵する本

## ケルゼンの自然法論と法実証主義に匹敵する本

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ジョン・オースティン著「法体系論講義」

ジョン・オースティン(1790-1859)はイギリスの法学者であり、法実証主義の代表的な人物の一人です。彼の主著である「法体系論講義」(1832年)は、法実証主義の古典として、ケルゼンの「純粋法学」と同様に、法哲学に多大な影響を与えました。

「法体系論講義」でオースティンは、法を「主権者の命令」と定義し、道徳や自然法から切り離された、純粋に実証的な法概念を提示しました。彼は、法の妥当性は、その内容の正しさや道徳性ではなく、主権者の命令であるという事実にのみ基づくと主張しました。

オースティンの法理論は、後の法実証主義者、特にH.L.A.ハートに大きな影響を与えましたが、同時に、様々な批判も呼び起こしました。例えば、彼の「主権者」概念や「命令」概念の曖昧さ、国際法や慣習法の説明不足などが指摘されています。

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H.L.A.ハート著「法の概念」

H.L.A.ハート(1907-1992)は20世紀を代表するイギリスの法哲学者であり、彼の主著「法の概念」(1961年)は、現代法実証主義の金字塔とされています。ハートは、オースティンの命令説を批判的に継承しつつ、より洗練された法実証主義理論を展開しました。

ハートは、法を「一次規則」と「二次規則」からなる体系として捉えました。「一次規則」は、人々の行動を直接的に規制する規則であり、「二次規則」は、「一次規則」の制定、変更、適用、解釈などを司る規則です。

彼は、法体系の根底には、人々が「承認の規則」と呼ぶ二次規則を共有しているという事実があると主張しました。この「承認の規則」によって、特定の規則が法体系に属するかどうかが決定され、法体系の統一性が保たれます。

「法の概念」は、法実証主義の枠組みの中で、法の概念、妥当性、義務、責任などの問題を体系的に分析しており、現代法哲学に多大な影響を与え続けています。

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