ケインズの雇用・利子・貨幣の一般理論を読む前に
経済学の基礎知識を身につける
ケインズの「一般理論」は経済学の古典的なテキストであり、経済学の基礎知識がないと理解が難しい部分が多くあります。そのため、事前にミクロ経済学とマクロ経済学の基本的な概念を理解しておくことが重要です。
具体的には、需要と供給の法則、GDP、インフレーション、失業率、財政政策、金融政策といった用語の意味や役割を理解しておきましょう。
当時の時代背景を理解する
「一般理論」は1930年代の世界恐慌という未曾有の経済危機を背景に書かれたものです。当時の経済状況や人々の不安を理解することで、ケインズが問題意識としていたことや、彼が提示した解決策の革新性をより深く理解することができます。
世界恐慌について、その発生原因や当時の経済学者たちの見解、そして世界恐慌が人々の生活にどのような影響を与えたのかなどを調べてみましょう。
古典的な経済学の考え方を知る
ケインズは「一般理論」の中で、当時の主流派経済学であった古典派経済学を批判し、新たな経済理論を展開しました。そのため、古典派経済学の基本的な考え方や主張を理解しておくことで、ケインズの主張の革新性やその後の経済学に与えた影響をより明確に捉えることができます。
アダム・スミスやデヴィッド・リカードといった古典派経済学者の著書を読んだり、市場メカニズムやセイの法則といった古典派経済学の中心的な概念について学んでおくことをおすすめします。
「一般理論」の構成を把握する
「一般理論」は全部で6編24章から構成されており、それぞれの章で異なるテーマが扱われています。事前に目次を確認し、全体像を把握しておくことで、それぞれの章の内容がより深く理解できるようになります。
特に、ケインズの理論の根幹をなす有効需要の概念や乗数効果については、どの章で詳しく説明されているのかを確認しておきましょう。また、ケインズの主張の中で理解が難しいと感じる箇所があれば、事前に関連する章を重点的に読むのも有効な方法です。