グロチウスの自由海論の選択
海洋の法典化の試み
17世紀初頭、国際法の礎を築いたとされるグロチウスは、その著書「自由海論」の中で、海洋の自由という概念を提唱しました。これは、特定の国家の主権が及ばない公海を万人に解放すべきという主張であり、当時の国際情勢に大きな影響を与えました。
ポルトガルによる主張への反論
グロチウスがこの書を執筆した背景には、ポルトガルによる東洋貿易の独占がありました。ポルトガルは、ローマ教皇の勅書を根拠に、アジア航路の支配と香辛料貿易の独占を主張していました。
オランダ東インド会社の支持
グロチウスの主張は、新興の海洋国家であったオランダの利益と一致していました。オランダは、ポルトガルの独占を打破し、自由貿易を推進するために、グロチウスの理論を支持しました。
「自由海」の概念
グロチウスは、「自由海論」の中で、海洋は人類共通の財産であり、いかなる国家もその自由な航行や利用を制限することはできないと主張しました。この考え方は、後の国際法の発展に大きな影響を与え、現代の「公海自由の原則」の基礎となっています。