## クヌースのコンピュータプログラミングの美学の入力と出力
入力について
ドナルド・クヌースは、彼の著書”The Art of Computer Programming” (TAOCP)の中で、アルゴリズムの入力について明確な定義を与えています。 TAOCPでは、アルゴリズムは特定の問題を解決するための一連のステップとして定義されており、その問題のインスタンスが入力として与えられます。
クヌースは、入力を**”問題のインスタンスを記述する、ゼロ個以上の数量”** と定義しています。 これは、入力が必ずしも具体的な値である必要はなく、問題を特定するための条件やパラメータを含む場合もあることを意味します。 例えば、ソートアルゴリズムの場合、入力はソート対象のデータ列と、昇順か降順かといったソートの順番を指定する情報になります。
重要なのは、アルゴリズムの設計においては、想定される入力の範囲を明確に定義する必要があるということです。 クヌースは、入力のサイズや性質によってアルゴリズムの効率が大きく変わる可能性があることを指摘しています。
出力について
TAOCPにおいて、クヌースはアルゴリズムの出力を**”入力とアルゴリズムの記述から計算された、ゼロ個以上の数量”** と定義しています。 出力は、アルゴリズムによって解決される問題に対する解答そのものです。
出力は、入力と同様に具体的な値である場合もあれば、より複雑なデータ構造である場合もあります。 例えば、探索アルゴリズムの場合、出力は探索対象の要素が存在する場合はその位置情報、存在しない場合は”見つかりません”といったメッセージになります。
クヌースは、アルゴリズムの設計においては、出力の形式についても明確に定義する必要があることを強調しています。 出力は、人間が理解しやすい形式であることはもちろん、他のプログラムやシステムで容易に処理できる形式であることが望ましいです。