ギールケのドイツ団体法の話法
ギールケの団体法における概念構成と論理展開
ギールケは、その著『ドイツ団体法論』において、ローマ法に由来する法人擬制説を批判し、独自の団体概念を構築しました。彼は、国家や法人といった団体を、個々の人間とは独立した「実在」として捉え、その権利能力を認めました。
「実在」としての団体と個人
ギールケは、個人と同様に団体も「意思」と「目的」を持つ「実在」であると主張しました。ただし、団体は個人とは異なる「社会的な実在」であり、その存在と活動は、構成員である個人の集合的な意思と行動によって成り立ちます。
団体の権利能力の根拠
ギールケは、団体が権利能力を持つ根拠を、法秩序によって認められた「目的」を持つことに求めました。団体は、その「目的」を達成するために、権利・義務の主体となる必要があり、法秩序はこれを認めることで社会全体の利益を図るとしました。
ギールケの団体法論の影響
ギールケの団体法論は、その後のドイツ法学、ひいては日本を含む大陸法系の法体系に大きな影響を与えました。特に、法人擬制説に対する批判は、団体を「実在」として捉える新しい視点をもたらし、現代の団体法理論の基礎を築きました。
ギールケの団体法論に対する批判
ギールケの団体法論は、画期的なものであった一方で、その抽象的な概念構成や論理展開には批判もあります。特に、「実在」という概念の曖昧性や、団体意思の形成過程の説明不足などが指摘されています。