ギボンのローマ帝国衰亡史の案内
ローマ帝国衰亡史とは?
1776年から1788年にかけて出版されたエドワード・ギボンの著作です。本書は、ローマ帝国の衰退と崩壊を、西暦2世紀の最盛期から1453年の東ローマ帝国滅亡までを扱っています。
構成
ギボンの「ローマ帝国衰亡史」は6巻で構成されています。各巻の内容は以下のとおりです。
* **第1巻 (1776年)**: 五賢帝時代からコンスタンティヌス1世によるキリスト教公認までのローマ帝国を扱っています。
* **第2巻 (1781年)**: コンスタンティヌス朝からテオドシウス1世の治世まで、4世紀のローマ帝国を扱っています。
* **第3巻と第4巻 (1781年)**: 395年の帝国分割から476年の西ローマ帝国滅亡までを扱っています。特に、フン族や西ゴート族、ヴァンダル族など、ゲルマン民族の移動とローマ帝国への影響に焦点を当てています。
* **第5巻 (1788年)**: 東ローマ帝国の歴史を、ユスティニアヌス1世の治世からイスラムの勃興まで扱っています。
* **第6巻 (1788年)**: イスラム帝国の台頭、十字軍、そして1453年のコンスタンティノープル陥落による東ローマ帝国滅亡までを扱っています。
特徴
* **広範な史料**: ギボンは膨大な量の古代の文献や資料を駆使し、ローマ帝国衰退に関する包括的な歴史を構築しようとしました。
* **詳細な分析**: ギボンはローマ帝国衰退の原因について、キリスト教の興隆、蛮族の侵入、道徳の退廃、政治腐敗など、多角的な分析を試みています。
* **流麗な文体**: ギボンの文章は、皮肉と雄弁さを交えた特徴的な文体で高く評価されています。
影響
「ローマ帝国衰亡史」は、出版当時から大きな反響を呼び、歴史学における記念碑的な作品として位置づけられています。 ギボンの歴史観は、その後の歴史研究に多大な影響を与え、現在も広く読まれ続けています。