ギボンのローマ帝国衰亡史と作者
エドワード・ギボンについて
エドワード・ギボンは、1737年5月8日にイングランドのサウスシー・カンパニーの重役の息子として生まれました。幼い頃から病弱でしたが、読書に熱中し、歴史と古典文学に深い関心を抱くようになりました。オックスフォード大学で学びますが、大学での生活は彼に合わず、1年余りで中退します。その後、スイスのローザンヌに留学し、啓蒙主義思想に触れました。
ローマ帝国衰亡史の執筆
1764年、ローマを訪れたギボンは、フォロ・ロマーノの廃墟に深い感銘を受け、ローマ帝国の衰亡と崩壊をテーマとした歴史書を執筆することを決意します。膨大な資料の調査と構想を練り、1776年に『ローマ帝国衰亡史』の第1巻を出版しました。その後も執筆を続け、全6巻を1788年までに完結させました。
ローマ帝国衰亡史の内容と特徴
『ローマ帝国衰亡史』は、紀元2世紀の五賢帝時代から15世紀の東ローマ帝国滅亡までの約1300年間を扱った壮大な歴史書です。ギボンは、ローマ帝国の衰亡の原因を、キリスト教の普及、蛮族の侵入、そしてローマ人自身の道徳の退廃といった要因に求めました。
史料批判と文体
ギボンは、膨大な量の史料を駆使し、綿密な考証に基づいた歴史叙述を行いました。彼の史料批判は、当時の歴史学に大きな影響を与えました。また、皮肉と諧謔を交えた流麗な文体は高く評価され、歴史書の古典としての地位を確立しました。
後世への影響
『ローマ帝国衰亡史』は、出版当時から大きな反響を呼び、歴史家、政治家、思想家など幅広い層に読まれました。歴史書の金字塔として、現代でも多くの読者を魅了し続けています.