ギデンズの社会学の新しい方法基準の関連著作
社会的事実の規則について エミール・デュルケム
社会学という学問分野を確立した古典として知られる本書は、社会学における実証主義的方法の基礎を築いたと評価されています。デュルケムは、社会学が自然科学と同様に、観察と経験的データに基づいた客観的な分析を行うべきだと主張しました。彼は社会現象を「社会的事実」と呼び、個人よりも社会全体に影響を与える、独自の特性と法則を持つものとして捉えました。
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 マックス・ウェーバー
デュルケムの著作と並び、社会学の古典として位置づけられる本書は、宗教的価値観が経済行動や社会構造に与える影響を分析したものです。ウェーバーは、プロテスタント、特にカルヴァン主義の倫理観と禁欲的な生活態度が、資本主義の精神と合理的な経済活動の発展を促したと主張しました。彼は、社会現象を理解するためには、客観的な要因だけでなく、主観的な意味や価値観を考慮することが重要だと考えました。
資本論 カール・マルクス
資本主義経済の構造と矛盾を歴史的唯物論の観点から分析した本書は、社会学だけでなく、経済学、政治学、哲学など幅広い分野に影響を与えました。マルクスは、資本主義社会における生産手段の私的所有が、資本家階級と労働者階級の対立、すなわち階級闘争を生み出すと主張しました。彼は、社会変革は階級闘争を通じて実現されると考え、資本主義社会は最終的に社会主義社会へと移行すると予測しました。