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キャロルのシルヴィーとブルーノの原点

キャロルのシルヴィーとブルーノの原点

ルイス・キャロルの創作ノートに見る初期構想

ルイス・キャロルは、1867年から詳細な創作ノートを付け始め、そこに小説のアイデアや断片、詩などを記録していました。このノートには、「シルヴィーとブルーノ」の初期の構想と思われる記述が複数確認できます。例えば、1870年の記述には、後に「シルヴィーとブルーノ」に登場する「Outland」という国の名前と、そこに住む妖精のような存在に関するアイデアが記されています。また、1874年には、物語の登場人物である「Lady Sylvie」という名前も登場します。

雑誌掲載作品としての始まり

「シルヴィーとブルーノ」は、当初長編小説として構想されたものではなく、短編作品として断片的に執筆されました。1889年から1893年にかけて、雑誌「The Monthly Packet」に、「The Nursery」という枠組みで計8つのエピソードが掲載されました。これらのエピソードは、後に「シルヴィーとブルーノ」(1889年)に収録されます。

長編化への道のり:続編「シルヴィーとブルーノ 完結編」

「シルヴィーとブルーノ」は、当初から二部作として構想されていたわけではありませんでしたが、前作の発表後、キャロルは続編の執筆に取り掛かりました。1893年には、続編となる「シルヴィーとブルーノ 完結編」が出版されます。この作品では、前作で未解決だったプロットが回収され、シルヴィーとブルーノの物語は一応の完結を迎えます。

複雑な構成と多様な要素

「シルヴィーとブルーノ」は、ファンタジー、ナンセンス文学、社会風刺、哲学的考察など、多様な要素が織り交ぜられた複雑な構成を持つ作品です。この複雑さは、長年にわたる構想と断片的な執筆、そして長編化の過程を経て形成されたものと考えられています。

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