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キケロの老年についてのメカニズム

## キケロの老年についてのメカニズム

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対話形式による論証

「キケロの老年について」は、紀元前44年にキケロによって書かれた、老いについての対話篇です。作中では、ローマの政治家であり将軍であったマルクス・カトーが、自身の老いに対する見解を友人であるスキピオとガイウス・ラエリウスに語ります。

キケロはこの対話形式を用いることで、老いに対する一般的な不満や不安(肉体の衰え、精神の衰え、死への恐怖など)をカトーの口から提起し、それらに対し、カトー自身の経験や知恵に基づいた反論を展開させています。

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ストア哲学の影響

「キケロの老年について」は、ストア哲学の影響を強く受けています。ストア哲学では、徳こそが幸福に到達するための唯一の道であるとされ、外的な要因(富、名声、健康、長寿など)は、幸福に影響を与えないものとみなされていました。

カトーはストア派の哲学者ではありませんでしたが、作中ではストア哲学的な考え方に基づき、老いは必ずしも不幸なものではなく、むしろ精神的な成長や知恵の深まりをもたらす貴重な時期となりえると主張します。

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具体的な例示

カトーは、自身の主張を裏付けるために、歴史上の偉人たちの逸話を多数引用しています。例えば、ソクラテスが晩年になっても旺盛な知識欲を持ち続け、新しいことを学び続けたことや、クィントゥス・ファビウス・マクシムスが老齢になってから将軍として活躍し、ハンニバルを相手に勝利を収めたことなどが語られます。

これらの具体的な例示によって、老いてもなお活躍できること、精神的な成長を続けられることを読者に示し、老いに対する肯定的な見方を提示しています。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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