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キケロの弁論術についての構成

## キケロの弁論術についての構成

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弁論術について

キケロの弁論術は、大きく分けて三つの著作から成り立っています。

* **「弁論家について」 (De Oratore) **: 全5巻からなる対話篇。紀元前55年に執筆され、理想の弁論家の育成と、それに必要な資質について論じています。
* **「弁論家」 (Orator) **: 紀元前46年に執筆された、キケロの弁論論を集大成した作品です。文体論を中心に、理想の弁論家の姿を描いています。
* **「ブルトゥス」 (Brutus) **: 紀元前46年に執筆された対話篇。ローマ弁論の歴史を振り返りつつ、キケロ自身の弁論観を語っています。

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構成と内容

各著作の構成と内容は、それぞれ以下の通りです。

**「弁論家について」 (De Oratore)**

* **第1巻**: 弁論術の定義、歴史、重要性、弁論家の資質、教育などが語られます。
* **第2巻**: 論理と論証法について解説されています。
* **第3巻**: ディスポジティオ(構成法)と、発想を得るための方法が論じられています。
* **第4巻**: エロクティオ(文体論)が扱われ、明瞭さ、適切さ、華麗さの三つの様式が説明されています。
* **第5巻**: メモリヤ(記憶術)と、アークティオ(伝達法)が論じられます。

**「弁論家」 (Orator)**

* 理想の弁論家の資質、特に文体について集中的に論じられています。
* 明快さ、正しさ、華麗さ、適切さの四つの文体の徳が提唱され、それぞれの達成方法が詳細に解説されています。

**「ブルトゥス」 (Brutus)**

* ローマ弁論の歴史が、アッティクスやクラッススといった過去の偉大な弁論家たちの業績を通して語られます。
* キケロ自身の弁論に対する考え方や、当時の弁論界に対する批判などが述べられています。

これらの三作品は、それぞれ独立した著作であると同時に、互いに補完し合う関係にあります。「弁論家について」が弁論術の全体像を概説し、「弁論家」が文体論に焦点を当てて深掘り、「ブルトゥス」が歴史的な視点からキケロ自身の弁論観を浮かび上がらせるという構成になっています。

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