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キケロの友情についてを面白く読む方法

## キケロの友情についてを面白く読む方法

### 1. キケロの人生と重ねて読む。

キケロの『友情論』は、ただの抽象的な哲学書ではありません。彼自身が経験した、喜びと苦難に満ちた人生から生まれた、熱い想いが込められた作品です。

紀元前1世紀、激動のローマ共和国を舞台に、弁舌家、政治家として活躍したキケロ。栄光を極めたかと思えば、政争に敗れ、愛する娘を亡くし、失意の底に突き落とされることもありました。

『友情論』は、そんな彼が晩年、親友アッティクスへの手紙の中で綴った友情論を対話形式にまとめたものです。作中には、実在の人物やエピソードが多数登場し、キケロ自身の経験と重なる部分も多く見られます。

例えば、若き日の友情、権力闘争の中で失った仲間、そしてどんな時も支えとなったアッティクスとの絆。彼の波乱万丈の人生を背景に読むことで、『友情論』の言葉一つ一つが、よりリアルに、そして深く心に響いてくるはずです。

### 2. 古典と現代の共通点を見つける。

約2000年前のローマで書かれた『友情論』ですが、驚くほど現代にも通じる内容です。

真の友情の条件としてキケロが挙げているのは、「互いを尊重すること」「共通の価値観を持つこと」「誠実であること」など。時代を超えて変わらない、普遍的な友情のあり方がそこにはあります。

一方で、古代ローマ特有の文化や価値観に触れることができるのも、『友情論』を読む面白さの一つ。

例えば、ローマ人にとって「名誉」は、現代人以上に重要なものでした。友人関係においても、互いの名誉を守り、高め合うことが求められました。

このように、現代との共通点と相違点を探しながら読むことで、『友情論』をより深く理解することができます。そして、現代社会における友情のあり方についても、改めて考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

### 3. 対話形式の妙を楽しむ。

『友情論』は、レリウス、ファンニウス、スカエボラという3人の歴史上の人物が、友情について語り合う対話形式で書かれています。

それぞれ立場や性格の異なる登場人物たちのやり取りは、まるで舞台を見ているようで、読み手を飽きさせません。

例えば、冷静沈着なレリウス、情熱的なスカエボラ、そして二人の意見を調整するファンニウス。それぞれの個性がぶつかり合いながらも、友情の本質へと迫っていく過程は、まさに知的エンターテイメントと言えるでしょう。

また、対話形式によって、多角的な視点から友情について考えさせられるのも魅力です。登場人物に共感したり、反発したりしながら、自分自身の考えを深めていくことができます。

### 4. 名言を味わう。

『友情論』には、現代でも語り継がれる名言が数多く散りばめられています。

例えば、「真の友情は善人の間だけに存在する」や「友情は人生のあらゆる喜びを倍加させ、あらゆる悲しみを半減させる」など、心に響く言葉の数々は、時代を超えて多くの人々に愛読されてきました。

これらの名言は、単に美しい言葉としてだけでなく、キケロの深い洞察と人生経験が凝縮されたものとして、じっくりと味わいたいものです。

原文でラテン語の響きを楽しむのも良いですし、様々な翻訳版を読み比べてみるのもおすすめです。自分にとってしっくりくる言葉を見つけ、心に刻みましょう。

### 5. 他の作品と比較してみる。

『友情論』をより深く理解するためには、他の哲学書や文学作品と比較してみるのも有効な方法です。

例えば、プラトンの『リュシス』やアリストテレスの『ニコマコス倫理学』も、友情をテーマにした古典として有名です。

これらの作品と比較することで、古代ギリシャとローマにおける友情観の違いや共通点が見えてくるはずです。

また、現代の小説や映画で描かれる友情と比較してみるのも面白いでしょう。時代や文化によって、友情の捉え方がどのように変化してきたのかが見えてくるはずです。

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