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ガルブレイスの新しい産業国家の面白さ

## ガルブレイスの新しい産業国家の面白さ

### 現代社会への鋭い洞察を味わえる面白さ

「新しい産業国家」は、1967年の出版当時、アメリカ社会に大きな反響を呼びました。それは、本書が巨大企業の台頭という新たな現象を分析し、従来の経済学の常識を覆すような指摘を行っていたからです。ガルブレイスは、現代社会においては、もはやアダム・スミスの「見えざる手」は機能せず、巨大企業が価格や生産量をコントロールする「計画経済」が行われていると主張しました。

### 企業組織と個人の関係に焦点を当てた面白さ

本書は、巨大企業の内部構造や意思決定プロセス、そしてそこで働く人々の行動様式を詳細に分析しています。特に、テクノ構造と呼ばれる専門知識を持ったエリート層が、企業活動において重要な役割を担うようになっている点を指摘し、現代社会における専門知識の重要性と、それがもたらす影響について考察しています。

### 消費社会への批判という側面の面白さ

ガルブレイスは、企業が消費者の欲求を創り出し、消費を拡大していくメカニズムを「依存効果」という言葉で説明し、現代社会が企業によってコントロールされた消費社会と化している点を批判しています。これは、現代社会における大量生産・大量消費、そして物質主義的な価値観に対する警鐘であり、現代においても重要な論点と言えるでしょう。

### 社会主義国にも共通する問題提起の面白さ

興味深いことに、ガルブレイスは資本主義社会だけでなく、当時の社会主義国にも同様の傾向が見られると指摘しています。彼は、社会主義国においても官僚組織が肥大化し、テクノ構造が権力を握るようになっている点で、資本主義国と変わらないと論じています。これは、現代社会における組織と個人の関係、そして権力の構造を考える上で示唆に富む視点と言えるでしょう。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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