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カーの歴史とは何かの対極

カーの歴史とは何かの対極

ヘロドトスの歴史

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが紀元前5世紀に著した『歴史』は、しばしば「歴史の父」と称され、その後の歴史叙述に多大な影響を与えました。 ヘロドトスの『歴史』は、ペルシャ戦争の原因と経過を記述することを目的としていましたが、その範囲はギリシャやペルシャだけでなく、エジプト、スキタイ、インドなど、当時の世界各地にまで及び、地理、民族誌、文化、伝承など、多岐にわたる情報を網羅しています。

ヘロドトスは、自らの目で見て聞いたことだけでなく、様々な資料や伝承を収集し、それらを批判的に吟味しながら歴史を記述しようとしました。 彼は、歴史的事実の背後にある人間の動機や感情、そして偶然の役割を重視し、物語のような筆致で生き生きと描写しました。 しかし、その一方で、超自然的な現象や伝説的な要素についても、真実であるかのように記述している部分があり、現代の歴史学の観点からは、客観性や史料批判の点で問題点も指摘されています。

ヘロドトスの『歴史』は、客観的な歴史記述を目指したE・H・カーの『歴史とは何か』とは対照的に、主観的で文学的な歴史叙述の典型例として位置づけられます。 彼の歴史観は、現代の歴史学とは大きく異なりますが、歴史を人間の営みとして捉え、その多様性や面白さを伝えようとする姿勢は、今日でも多くの読者を魅了し続けています。

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