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カルヴァンのキリスト教綱要の選択

## カルヴァンのキリスト教綱要の選択

第一巻 神についての知識

第一巻は、神についての知識を扱っています。カルヴァンは、人間には神を知るための二つの書物があると主張します。一つは、自然や被造物を通して神を明らかにする「自然の書」であり、もう一つは、神ご自身がその御言葉を通して啓示される「聖書の書」です。

カルヴァンは、自然の書を通して、神の永遠の力と神性を知ることができると述べています。しかし、自然は罪によって堕落しているため、神についての完全な知識を得ることはできません。そこで必要となるのが、聖書の書です。聖書は、神ご自身によって霊感されたものであり、神について知るための確実な指針を与えてくれます。

カルヴァンは、聖書の権威を強く主張し、聖書は人間の伝統や理性よりも上位に置かれるべきだとしました。そして、聖書を正しく理解するためには、聖霊の illumination(照らし)が必要であると強調しています。

第二巻 神の父なる神とキリストにおける贖いについての知識

第二巻は、キリストにおける贖いについて扱っています。カルヴァンは、アダムの堕落によって人間は罪と死の支配下に置かれたと述べています。そして、人間は自らの力では罪から救われることができず、神の恵みによる救済が必要であると強調します。

カルヴァンは、キリストの贖いの働きを詳しく解説し、キリストは神の永遠の御子であり、人間の罪を償うために、身代わりとして十字架にかかり、死んでくださったと述べています。そして、キリストの贖いの恩恵にあずかるのは、神によって選ばれた者たちだけであるという予定説を展開します。

第三巻 聖霊における贖いの享受の仕方、またその果実と恩恵について

第三巻は、聖霊の働きと信徒の生活について扱っています。カルヴァンは、聖霊の働きによって、人はキリストを信じるようになり、罪を悔い改めて、新しい生き方へと導かれると述べています。そして、信仰は神からの賜物であり、人間の功績によるものではないと強調します。

カルヴァンは、信徒の生活において重要な要素として、教会、礼拝、聖礼典、政治などを取り上げ、それぞれについて詳細に論じています。特に、教会を「キリストのからだ」と捉え、信徒は教会共同体の一員として、互いに愛し合い、支え合うべきだと説いています。

第四巻 教会、その権威、それが立てられた仕方、統治、教理、礼拝、最後の復活について

第四巻は、教会論と終末論について扱っています。カルヴァンは、教会を「キリストのからだ」と定義し、真の教会は、神の言葉が正しく宣べ伝えられ、聖礼典が正しく執行されるところに存在すると述べています。また、教会の権威は、聖書にのみ由来すると強調し、教皇や教会会議の権威を否定しました。

カルヴァンは、教会の統治形態として、長老制を主張しました。長老制とは、牧師と長老によって教会が統治される制度です。カルヴァンは、この制度が聖書に基づいており、教会の純粋さを保つために最も適した制度であると考えました。

終末論において、カルヴァンは、キリストの再臨と最後の審判について詳しく論じています。彼は、キリストの再臨は近い将来に起こり、最後の審判において、義人は永遠の命に預かり、悪人は永遠の刑罰を受けることになると述べています。

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