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カルヴァンのキリスト教綱要の技法

カルヴァンのキリスト教綱要の技法

組織と構成

「キリスト教綱要」は非常に体系的で論理的な構成を成しており、読者がキリスト教神学の全体像を把握しやすいよう工夫されています。全80章は4つのセクションに分けられ、それぞれが創造、堕落と救済の必要性、キリストにおける救済、教会とサクラメントという、キリスト教信仰の中核を成すテーマを扱っています。

聖書解釈

カルヴァンは聖書を神の言葉として絶対視し、その解釈においては聖書自身によって聖書を解釈する「聖書解釈学」を採用しています。彼は聖書のあらゆる箇所を文脈の中で理解することに努め、比喩や寓意を安易に用いることを避け、可能な限り字義通りの解釈を重視しました。また、旧約聖書と新約聖書の有機的な繋がりを強調し、両者を統合的に解釈することで、キリスト教信仰の一貫性を明らかにしようと試みています。

論証と弁証法

カルヴァンは論理的な思考と明快な論証を駆使し、自らの神学的立場を展開しています。彼は当時の様々な神学的見解を公平に紹介しながらも、聖書に基づいた反論を加えることで、自らの主張の正当性を主張しています。また、読者自身が自ら考え、信仰を深めることができるよう、問答形式を用いることもありました。

修辞法

「キリスト教綱要」は単なる神学書ではなく、当時の宗教改革の潮流の中で人々の心を揺り動かすことを目的とした、情熱的な文書でもありました。カルヴァンは鮮やかな比喩や力強い表現を用いることで、読者の心に訴えかけるだけでなく、時には皮肉や風刺を交えながら、カトリック教会の腐敗を批判しています。

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