## カルヴァンのキリスト教綱要の対称性
神の認識と人間の認識の関係性
カルヴァンの「キリスト教綱要」は、一見すると複雑な構造を持つように見えますが、その根底には明確な対称性が存在します。それは、「神の認識」と「人間の認識」の関係性を軸として構築されています。
「キリスト教綱要」の構成
「キリスト教綱要」は、全4巻、60章から構成されており、それぞれの巻は特定のテーマに焦点を当てています。
* **第1巻**: 神の認識
* **第2巻**: キリストにおける神認識（旧約・新約）
* **第3巻**: 聖霊による信仰の恩恵
* **第4巻**: 教会論と聖礼典
対称性の具体例
「キリスト教綱要」の対称性は、例えば以下のような点に表れています。
* **第1巻と第4巻**: 第1巻では「神を知ること」が、第4巻では「神に近づくための手段」がそれぞれ論じられています。これは、神認識を出発点として、信仰共同体における実践へと至るという流れを示しています。
* **第2巻と第3巻**: 第2巻では「キリストにおける神の啓示」が、第3巻では「聖霊による信仰の内的働き」がそれぞれ扱われています。これは、神の救済が客観的な啓示と主観的な信仰体験の両面から成り立っていることを示しています。
このように、「キリスト教綱要」は神の認識から始まり、人間の信仰のあり方、そして教会における実践へと論理的に展開していく構成となっており、その全体構造には「神の認識」と「人間の認識」の関係性を軸とした明確な対称性が見て取れます。