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カッシーラーのシンボル形式の哲学の対極

## カッシーラーのシンボル形式の哲学の対極

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実証主義と論理実証主義

カッシーラーのシンボル形式の哲学は、人間が世界を理解する上で、言語、神話、芸術、宗教といった多様なシンボルシステムが重要な役割を果たすと主張します。 これは、世界を客観的に認識可能とし、事実と論理に基づいた知識のみを重視する実証主義や論理実証主義とは大きく対照的です。

実証主義は、経験に基づかない形而上学的な議論を排し、観察や実験によって検証可能な知識のみを重視する立場です。オーギュスト・コントは実証主義の創始者として知られており、彼の著書『実証哲学講義』は、科学的知識の体系化を目指したものでした。

20世紀初頭に登場した論理実証主義は、実証主義をさらに発展させ、論理学や数学を用いた言語分析を通じて、科学的言説の厳密化を目指しました。ウィーン学団を代表とする論理実証主義者たちは、形而上学的な言明は意味をなさないとみなし、「検証主義」と呼ばれる、命題の意味はその命題が経験的に検証可能かどうかによって決まるとする立場を主張しました。ルドルフ・カルナップの『世界の論理構造』は、論理実証主義の代表的な著作と言えるでしょう。

このように、実証主義および論理実証主義は、カッシーラーのシンボル形式の哲学とは対照的に、客観的な観察と論理に基づいた知識の構築を重視し、シンボルシステムの持つ多様な意味世界を重視しませんでした。

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