## カエサルのガリア戦記の案内
1. ガリア戦記とは
「ガリア戦記」(Commentarii de Bello Gallico)は、共和政ローマ末期の政治家・軍人であるガイウス・ユリウス・カエサルが、紀元前58年から紀元前51年にかけてガリア(現在のフランス・ベルギー・スイス・イタリア北部・オランダの一部)で行った戦争の記録です。
2. 構成
全7巻で構成され、各巻は1年間の出来事を扱っています。
* 第1巻:紀元前58年のヘルウェティイ族とアリオウィストゥスとの戦い
* 第2巻:紀元前57年のベルガエ族、ネルウィイ族、アトレバテス族などとの戦い
* 第3巻:紀元前56年のウェネティ族など、ガリア北西部の海洋民族との戦い
* 第4巻:紀元前55年のゲルマニア遠征とブリタンニア遠征
* 第5巻:紀元前54年の第二次ブリタンニア遠征とガリアにおける反乱
* 第6巻:紀元前53年のガリア全土における大反乱
* 第7巻:紀元前52年のウェルキンゲトリクスによるガリア総蜂起とアlesiaの戦い
3. 特徴
* **一人称で書かれている:**カエサル自身の視点から見た戦況や出来事が記されています。
* **簡潔で明快な文体:**修辞を凝らした表現は少なく、事実を淡々と描写しています。
* **政治的プロパガンダとしての側面:**カエサル自身の功績を強調し、元老院への自己弁護と民衆の支持を得るための意図が指摘されています。
* **軍事学、地理学、民族学の資料:**当時のガリア人の文化や風習、戦闘方法などに関する貴重な情報を含んでいます。
4. 歴史的意義
* ガリア征服を通じて、ローマの領土は大きく拡大しました。
* カエサルの軍事的天才と政治的手腕を示すものとして、ローマ史において重要な意味を持ちます。
* ラテン文学の傑作の一つとして、現代でも広く読まれています。