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オースティンのエマの話法

## オースティンのエマの話法

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語り手

「エマ」の語り手は三人称全知の語り手です。語り手は作中人物の思考や感情を知ることができ、読者に対して情報を制限したり、操作したりすることはありません。

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自由間接話法

オースティンは「エマ」において自由間接話法を効果的に用いています。自由間接話法とは、地の文の中に登場人物の言葉や思考を溶け込ませる技法です。これにより、読者は登場人物の主観的な視点に寄り添い、感情や思考をより深く理解することができます。

例えば、エマがハリエットの結婚相手について空想を巡らせる場面では、エマの思考が地の文に自然に織り込まれています。

> “Harriet Smith’s marrying a man of fortune—Harriet Smith’s being handsomely settled before her—it seemed strange! She looked at Harriet, and wondered she could see her with so little emotion.”

この文章では、「strange」や「wondered」といった言葉を通して、エマの驚きや戸惑いが読者に間接的に伝わってきます。

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皮肉とユーモア

「エマ」はオースティン特有の皮肉とユーモアに満ちています。語り手はしばしば登場人物の言動を少し距離を置いて、皮肉っぽく描写します。

例えば、エマが自分の恋愛観に自信を持っている場面では、語り手は次のように述べています。

> “As to marriage, she had not the least inclination for it… She was very happy as she was, much too happy to have any thoughts of changing her state.”

この場面で、読者はエマの自信過剰な性格と、後の展開でそれが覆されることを予感させられます。

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会話文の多用

「エマ」は会話文が多いことも特徴です。登場人物たちの会話を通して、彼らの性格や関係性が明らかになり、物語が展開していきます。また、会話文の中には、皮肉やユーモア、誤解などが含まれており、読者は登場人物たちの微妙な心理を読み解く楽しみを味わえます。

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