## オリーンの貿易理論「地域および国際貿易」から得られるもの
国際貿易の新しい説明
従来の貿易理論は、たとえばイギリスは繊維産業、ポルトガルはワイン産業といったように、各国が異なる産業で優位性を持つという前提に基づいていました。しかし、オリーンは、国際貿易は各国に存在する生産要素の相対的な賦存量の差によって生じると主張しました。
要素賦存理論
オリーンは、労働力、資本、土地などの生産要素が各国で異なって賦存されていると指摘しました。そして、各国は豊富に保有する生産要素を相対的に多く使う財を輸出する一方で、希少な生産要素を相対的に多く使う財を輸入すると説明しました。これを「要素賦存理論」といいます。
ヘクシャー=オリーン・モデル
オリーンの貿易理論は、師であるヘクシャーの考えを基に発展させたものであり、「ヘクシャー=オリーン・モデル(H-Oモデル)」として知られています。このモデルは、2 財・2 要素・2 ヶ国を想定し、各国の生産可能性フロンティア、相対価格、貿易パターンを分析します。
貿易による利益
オリーンは、国際貿易によって各国が利益を得られることを示しました。貿易は、各国が自国の比較優位に従って特化することを可能にし、生産の効率性を向上させます。また、貿易は消費者に多様な財を提供し、消費者の厚生を高めます。
要素価格均等化定理
オリーンは、国際貿易によって生産要素の価格が国際的に均等化していく傾向があると主張しました。これは「要素価格均等化定理」と呼ばれています。貿易は、豊富な要素の価格を上昇させ、希少な要素の価格を低下させることで、各国間での要素価格の差を縮小させます。
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