## エールリヒの法社会学基礎論に匹敵する本
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マックス・ウェーバー『法社会学』
マックス・ウェーバーの『法社会学』は、エールリヒの『法社会学基礎論』と同様に、法社会学の古典として位置づけられる名著です。ウェーバーは、近代資本主義の成立を理解する上で、法、特に合理的な法システムが重要な役割を果たしたと論じました。
ウェーバーは、法を「強制装置を伴った外的な秩序」と定義し、その類型化を試みました。彼は、伝統、感情、価値理性、そして目的合理性という四つのカテゴリーに基づいて、法の発展段階を分析しました。特に、近代西洋社会における形式的合理性の優位と、それが法の領域にもたらした影響を重視しました。
ウェーバーの分析は、法の形式化と官僚制の発達、そしてそれらが近代国家の形成にどのように貢献したのかを明らかにするものでした。また、彼は、法と経済の関係にも着目し、資本主義の発展における法の役割を論じています。
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エミール・デュルケーム『社会分業論』
エミール・デュルケームの『社会分業論』もまた、法社会学に多大な影響を与えた社会学の古典です。デュルケームは、社会の統合と秩序の問題に関心を持ち、法をその中心的要素として捉えました。
デュルケームは、社会が進化するにつれて、社会の統合の形態も変化すると論じました。彼は、伝統的な社会における「機械的連帯」と、近代社会における「有機的連帯」を対比させました。機械的連帯は、人々の同質性と共通の信念に基づくものであり、抑圧的な刑罰によって特徴づけられます。一方、有機的連帯は、分業と相互依存に基づくものであり、回復的な法によって特徴づけられます。
デュルケームは、法を社会の道徳的意識の反映とみなし、その変化を通じて社会の変容を分析しました。彼の著作は、法の社会学的分析の重要性を示すとともに、近代社会における法の役割についての示唆を与えています。