エーコの薔薇の名前の話法
語り手
複数の語り手の視点が用いられていることは明らかです。
物語は、老齢になったアドソが、青年時代に経験した事件を回想するという形で語られます。
文体
ラテン語やギリシャ語からの引用、詳細な描写、哲学的・神学的議論など、学術的な文体が特徴です。
中世の写本を模倣したような古風な文語で書かれている点も挙げられます。
メタフィクション
作中では、アリストテレスの『詩学』の第二部「喜劇論」をめぐる議論が重要な役割を果たします。
また、写本の挿絵や迷宮図書館の構造など、物語の随所にメタファーが散りばめられています。