エンデの『はてしない物語』の話法
語り手
『はてしない物語』の語り手は一人称視点と三人称視点が切り替わりながら物語が進行していきます。
– 一人称視点で語られるのは、主に現実世界でのバスチアンの行動や心情です。
– 三人称視点で語られるのは、主にファンタージエンの世界の出来事や登場人物の心情です。
この語り手の変化は、現実世界とファンタージエンの世界が、バスチアンの読書体験を通じて次第に影響し合う様子を表現しています。
メタフィクション
『はてしない物語』は作中でしばしば物語の外の世界に言及する、メタフィクションの手法が用いられています。
例えば、バスチアンが『はてしない物語』を読む場面では、読者はバスチアンと同じ本を読んでいるような感覚を覚えます。また、物語の終盤では、ファンタージエンの世界と現実世界の境界線が曖昧になり、読者もまた物語の一部であるかのような感覚に陥ります。
このようなメタフィクションの手法は、現実と虚構の境界線を曖昧にすることで、読者に物語への没入感と、物語の持つ力を強く意識させます。