イプセンの幽霊の構成
第一幕
第一幕はアルヴィング夫人の家に仕える使用人のエンゲルス夫人と、パストルのマンダースとの会話から始まります。彼らは新しい孤児院の完成を翌日に控え、準備に追われています。会話の中で、エンゲルス夫人はアルヴィング夫人の亡くなった夫アルヴィング氏について、そして彼の放蕩な過去についてマンダースに語ります。
その後、アルヴィング夫人の息子オズヴァルドがパリから帰国します。彼は画家を志してフランスで生活していましたが、体調を崩して帰国しました。アルヴィング夫人は喜びますが、オズヴァルドはどこか影のある様子です。
第二幕
第二幕では、オズヴァルドとマンダースがアルヴィング夫人の過去について話し合います。マンダースは、アルヴィング夫人は夫の悪評から逃れるために自分を犠牲にしてきたのだと語り、オズヴァルドに母親を支えるように諭します。
一方、アルヴィング夫人はエンゲルス夫人と孤児院について話し合います。エンゲルス夫人は、アルヴィング氏が遺した財産で孤児院を建てることに反対し、アルヴィング夫人の過去を知るがゆえに、その財産が「不浄なもの」だと主張します。
その後、オズヴァルドはエンゲルス夫人に、自分がパリで恋に落ちた女性について打ち明けます。しかし、その女性はすでに結婚しており、オズヴァルドは絶望しています。
第三幕
第三幕は、孤児院の落成式が翌日に迫る中、アルヴィング夫人とマンダースが孤児院の将来について話し合う場面から始まります。マンダースは、アルヴィング夫人と結婚して孤児院の運営を任せたいと申し出ますが、アルヴィング夫人は過去を告白し、彼の申し出を拒否します。
その後、オズヴァルドはアルヴィング夫人に、自分が父親と同じ病気にかかっていること、そしてエンゲルス夫人と恋に落ちたことを告白します。アルヴィング夫人は衝撃を受けますが、息子のためにエンゲルス夫人との結婚を承諾しようとします。
しかし、エンゲルス夫人はオズヴァルドがアルヴィング氏の息子ではなく、自分の娘レギーネとの間にできた子供であることを告白します。アルヴィング夫人は絶望し、オズヴァルドは発作を起こして倒れてしまいます。
劇は、オズヴァルドが太陽の光を求めながら苦しみ続ける中、アルヴィング夫人が息子にモルヒネを与えるかどうか葛藤する場面で幕を閉じます。