イプセンのジョン・ガブリエル・ボーコマンの名前
ジョン・ガブリエル・ボーコマン
「ジョン」は聖書に登場する預言者ヨハネを想起させます。ヨハネは荒野で人々に悔い改めを呼びかけ、イエスの到来を告げました。これは、ボーコマンが自己中心的な野望を抱え、人々を犠牲にしてきた過去を暗示しているとも考えられます。
ガブリエル
「ガブリエル」もまた聖書の登場人物、大天使ガブリエルを連想させます。ガブリエルは神のことばを伝える役割を担っています。ボーコマンもまた、自身の理想を「大事業」という形で実現しようとすることから、自己を神聖視するような傲慢さを「ガブリエル」という名前に見出すことができるかもしれません。
ボーコマン
「ボーコマン」はノルウェー語で「船乗り」を意味する “båtmann” を連想させます。ボーコマンはかつて銀行家として、また現在は失脚した身でありながら将来の復活を夢見ている点で、激動の人生を航海する船乗りのような存在とも言えます。