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イェーリングの権利のための闘争の思想的背景

イェーリングの権利のための闘争の思想的背景

19世紀ドイツにおける法思想の潮流

19世紀のドイツは、フランス革命の影響を受け、近代国民国家の形成へ向けて大きく揺り動いていました。法の領域においても、自然法思想の影響を受けた理性主義的な法典化の動きが活発化し、プロイセン一般ラント法 (ALR) やオーストリア一般民法典 (ABGB) などの制定が相次ぎました。

このような時代背景の中、法学においても、法を体系的かつ論理的に捉えようとする法実証主義が主流となっていきました。法実証主義は、法の妥当性を、それが制定された形式的な手続きや、国家権力による強制力に求めました。

イェーリングの思想的位置づけ

ルドルフ・フォン・イェーリングは、19世紀後半のドイツを代表する法学者の一人であり、初期にはローマ法の研究を通じて法実証主義的な立場をとっていました。しかし、晩年になると、現実の社会における法の役割を重視するようになり、『権利のための闘争』において、法は闘争によって獲得され、維持されるべきであるという、従来の法実証主義とは異なる主張を展開しました。

イェーリングは、法は社会生活上の目的を達成するための手段であり、権利は社会的に認められた利益であると考えました。そして、個人の権利は、国家によって自動的に保護されるものではなく、個々人が自らの権利を主張し、闘うことによって初めて実現されるとしました。

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