アランの幸福論を読んだ後に読むべき本
幸福の conquista について考える
アランの「幸福論」は、古典的な知恵と鋭い洞察力を駆使し、幸福への道を示す、時代を超えた名著です。自己を深く見つめ、理性と意志の力を用いて、欲望や不安に揺るがない強靭な精神を築き上げることを説きます。 「幸福は conquista するものである」というアランの力強いメッセージは、現代社会においても色褪せることはありません。
エピクテトスの「エンケリディオン」を読む
アランの思想に触れた後、古代ローマのストア派哲学者エピクテトスの「エンケリディオン」を読むことは、幸福論で得た学びをさらに深めるための自然な流れと言えるでしょう。 「エンケリディオン」は、エピクテトスの講義録をまとめた簡潔ながらも力強い書であり、ストア哲学のエッセンスが凝縮されています。
ストア派は、理性に従って生きることを重視し、感情に振り回されず、冷静な判断力と揺るぎない心の平静を保つことを理想としました。 エピクテトスは、我々がコントロールできない外部の出来事に心を乱されるのではなく、自身の心構えこそが重要であると説きます。 欲望や不安、怒りといった感情に支配されることなく、理性に基づいた行動をとることこそが、真の幸福、すなわち心の平安を得る道であるとしました。
共通点と相違点
アランとエピクテトスの思想には多くの共通点が見られます。 どちらも、幸福は外的な要因によって左右されるのではなく、自身の内面から生み出されるものであると説いています。 理性と意志の力を用いて、感情をコントロールし、揺るぎない精神を築き上げることの重要性を説く点も共通しています。
一方で、両者の間には微妙な違いも存在します。 アランは、積極的に行動し、世界に働きかけることを通して幸福を追求していくことを重視しました。 一方、エピクテトスは、自己の内に心を平静に保つこと、すなわち「アパテイア」の状態を重視しました。 これは、外界の出来事に動じない、不動心の状態を指します。
「エンケリディオン」から得られるもの
「幸福論」でアランが提示した、能動的に幸福を築き上げるという考え方を踏まえ、「エンケリディオン」を読むことで、心の持ちよう、すなわち内面的な強さを育む視点を得ることができます。 外部環境に左右されない心の平静を保つための具体的な方法を学ぶことで、アランの思想をより深く理解し、実践へと繋げることができるでしょう。
「エンケリディオン」は、簡潔な言葉で書かれているため、現代人にとっても非常に読みやすく、日常生活の中で実践できる知恵が詰まっています。 アランの「幸福論」によって幸福への道を切り開いた後、エピクテトスの「エンケリディオン」を通して、心の内側に揺るぎない幸福の基盤を築いていくことができるでしょう。