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アウグスティヌスの神の国の関連著作

アウグスティヌスの神の国の関連著作

エウセビオス「教会史」

4世紀初頭に書かれた「教会史」は、キリスト教の歴史を初めて包括的にまとめた書物として、アウグスティヌスの「神の国」に大きな影響を与えました。「教会史」は、イエス・キリストの誕生から4世紀初頭までのキリスト教の歴史を、当時の資料を引用しながら記述しており、ローマ帝国におけるキリスト教の迫害と発展、教義論争、異端の出現など、初期キリスト教の重要な出来事を網羅しています。

アウグスティヌスは、「神の国」の中で「教会史」を頻繁に参照し、自らの歴史観の根拠としています。特に、ローマ帝国の衰退とキリスト教の関係について論じる際に、「教会史」に描かれたローマ帝国によるキリスト教徒迫害の歴史は、アウグスティヌスにとって重要な論拠となりました。彼は、ローマ帝国の繁栄がキリスト教の真実性を証明するものではないとし、真の神の国は地上の国家ではなく、天上の神の国に存在すると主張しました。

オロシウス「歴史七巻」

5世紀初頭に書かれた「歴史七巻」は、アウグスティヌスの依頼を受けて書かれた世界史であり、「神の国」と密接な関係を持っています。アウグスティヌスは、「神の国」の中で、ローマ帝国の衰退を嘆く人々に対して、歴史を通じて様々な民族が興亡を繰り返してきたことを示すことで、ローマ帝国の没落は歴史の必然であると主張しました。

オロシウスは、「歴史七巻」の中で、古代オリエントからローマ帝国に至るまでの歴史を記述し、戦争や災害、帝国の興亡など、人類の歴史が繰り返す悲劇を描きました。彼は、キリスト教が世界にもたらされた後も、戦争や災害はなくなっていないものの、キリスト教は人々に希望を与え、より良い世界を築くための道徳的な指針を提供していると主張しました。

「歴史七巻」は、「神の国」の主張を補完する役割を果たし、歴史的な視点から神の国と地上の国の関係を明らかにしました。アウグスティヌスは、オロシウスの歴史観を高く評価し、「神の国」の中で彼の著作を引用することで、自らの歴史観を補強しています。

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