定義
金曜締切の仕事は金曜に終わり、水曜締切なら水曜に終わる。
1時間で終わる仕事に1日を与えると、その仕事は1日分の大きさになります。文言を磨き、念のための確認を挟み、気づけば夕方。仕事は水に似ていて、器に注げば器の形いっぱいに広がります。しかも伸びた時間は仕事らしい活動で埋まるため、本人に膨張の自覚はありません。膨張は、勤勉の顔をしてやってくるのです。
膨らんだ時間の中身は三つ。不安を潰す念のための作業、仕上がり3%のための磨きすぎ、工程を増やす細分化です。どれも美徳だから、削る判断は作業の中からは生まれません。同じ仕組みはお金にも働きます。収入という器が大きくなると支出はそこまで自動的に広がり、昇給しても自由になるお金は増えないのです。
対策は根性ではなく、器の設計です。締切を半分にして、時間に箱を切る。遠い大きな締切は、近い小さな締切の列に割る。貯蓄や勉強の時間は「余ったら」ではなく、先に取り分けて器の外へ出す。ただし、考えが熟すのを待つ仕事や安全に直結する仕事には効きません。速さの仕事には短い器を、深さの仕事には静かな時間を。
本書で扱う内容
13節- なぜ仕事は、締切の直前にしか終わらないのか
- 膨張の中身は、何でできているのか
- 仕事が減っても、組織は太り続ける
- 会議は、なぜ予定の時間ぴったりに終わるのか
- どうでもいい議題ほど、議論が白熱するのはなぜか
- 給料が上がったのに、貯金が増えないのはなぜか
- 締切を半分にすると、何が起きるのか
- 大きな仕事は、小さな締切に割る
- 「時間が余ったら」「お金が余ったら」は、永遠に来ない
- 「どこまでやるか」を先に決めていますか
- 締切で潰してはいけない仕事もある
- パーキンソンの法則の、よくある間違い
- 明日、締切をひとつ半分にしてみる