レーニンの帝国主義論の主題
資本主義の最高段階としての帝国主義
レーニンは、1917年に発表した著書『帝国主義、資本主義の最高段階』の中で、帝国主義を資本主義の新たな段階、すなわち「資本主義の最高段階」と定義しました。レーニンによれば、19世紀後半から20世紀初頭にかけての資本主義は、自由競争を特徴とする段階から、独占資本主義の段階へと移行しました。この独占資本主義こそが帝国主義の経済的本質であるとレーニンは主張しました。
独占資本の形成と帝国主義への発展
レーニンは、資本主義の進展に伴い、生産と資本の集中が進行し、巨大な独占企業が出現すると論じました。これらの独占企業は、国内市場を支配するだけでなく、海外市場にも進出し、原料の確保と製品の販売を図りました。この過程で、国家権力は独占資本の利益を守るために利用され、帝国主義的な対外進出が促進されました。
帝国主義の特徴
レーニンは、帝国主義を特徴づける五つの主要な特徴を挙げました。
* 生産と資本の集中が高度に達し、独占資本が支配的な地位を占めること。
* 銀行資本と産業資本が融合し、金融寡頭制が形成されること。
* 資本輸出が商品輸出に比べて特に重要な意義を持つこと。
* 世界を資本家によって経済的に分割し尽くす、国際独占同盟が形成されること。
* 世界を列強によって領土的に分割し尽くすことが完了すること。
これらの特徴は、資本主義の内的矛盾と発展の帰結として生じたとレーニンは考えました。
帝国主義と戦争
レーニンは、帝国主義を「戦争を生み出す資本主義」と捉え、帝国主義列強間の対立と戦争は避けられないと主張しました。列強は、市場と資源の争奪を通じて互いに衝突し、世界大戦のような惨禍を引き起こすとレーニンは警告しました。