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フィヒテの全知識学の基礎の表象

フィヒテの全知識学の基礎の表象

表象とは何か

フィヒテの『全知識学の基礎』において、**表象(Vorstellung)**は極めて重要な概念であり、自我と対象の関係性を理解する上で欠かせません。ただし、表象は我々が一般的にイメージするような、
心の中にある絵画のようなものではありません。フィヒテは表象を、自我と非自我の相互作用によって生じるものとして捉えます。

表象の成立

フィヒテによれば、表象は以下のようなプロセスを経て成立します。

1. **自我のposit】:**まず、自我は自身をposit、つまり積極的に設定します。これが意識の出発点となります。
2. **非自我のposit】:**次に、自我は自身とは異なるものとして、非自我をpositします。これは自我が自身を限定するために必要なプロセスです。
3. **相互限定】:**自我と非自我は互いに限定し合い、この相互作用によって表象が生じます。

表象における自我と非自我

重要なのは、表象における自我と非自我は、
我々が日常的に経験するような、明確に分離されたものではないということです。フィヒテは、表象は自我と非自我の「不可分離な結合」であると述べています。

つまり、表象は自我によって構成されるものの、
自我の産物として完全に支配されているわけではありません。非自我からの抵抗、限定を受けることによって、表象は客観性を獲得します。

表象の意義

フィヒテにとって、表象は単なる認識論的な概念ではなく、
自我の活動と密接に結びついたものです。自我は表象を通じて世界を認識し、
行為していきます。

表象は絶えず変化し、発展していくものであり、
自我は新たな表象を創造することで、自身の限界を超えていくことができます。

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