ボアンカレの科学と方法の構成

第一部では、数学的推論における直観の役割について論じています。数学的発見は、論理的な推論だけによってではなく、直観によって導かれると主張します。数学的帰納法と連続性に関する章では、これらが論理的に証明できない数学の基本的な概念であることを示し、数学における直観の重要性を強調しています。

第二部では、数学の様々な分野における直観の役割について考察しています。特に、幾何学における直観の重要性を強調し、非ユークリッド幾何学の発見が数学における直観の力を示すものであると主張します。

第三部では、力学の原理と発展について論じています。ニュートン力学の絶対空間と絶対時間という概念を批判し、相対性原理の重要性を示唆しています。また、力学的現象の説明における確率の役割についても考察しています。

第四部では、科学における仮説の役割について考察しています。科学理論は、観察や実験によって完全に証明できるものではなく、仮説に基づいていると主張します。そして、科学者は、複数の仮説の中から、最も都合の良いものを選択すると述べています。

具体的には、「数の選択公理」や「エネルギー保存の法則」などを例に挙げ、科学における仮説の役割について解説しています。

第五部では、科学における方法について考察しています。科学者は、どのようにして新しい事実を発見し、新しい理論を構築するのかについて論じています。観察と実験の重要性を強調すると同時に、科学における直観や想像力の役割についても言及しています。