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ニュートンの自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)と時間

ニュートンの自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)と時間

プリンキピアにおける時間の定義

ニュートンは『プリンキピア』において、冒頭の定義部分で時間を以下のように定義しています。

> **絶対時間**は、それ自身で、またその本性上、あらゆる外部のものから関係なく、均一に流れ、他の名前で呼ばれるものは持たず、**持続**とも呼ばれる。一方、**相対時間**は、真の時間の代わりに用いられる、運動によって認識される、外的で、感覚的な、可動的な尺度であり、例えば、時間、日、月、年などがこれである。

この定義から、ニュートンは時間を二つの側面から捉えていたことが分かります。

絶対時間

まず、「絶対時間」は、我々が感覚的に認識できるものではなく、宇宙に客観的に、一様に、そして絶えず流れている時間です。これは、あらゆる物体の運動や変化とは無関係に存在する、独立した時間です。

相対時間

一方、「相対時間」は、我々が日常的に認識している時間で、天体の動きや時計の針の動きなど、ある種の運動を基準として測定されます。これは、観測者や測定方法によって変化しうる、相対的な時間です。

絶対時間と相対時間の関係

ニュートンは、絶対時間こそが真の時間であり、相対時間はあくまでもその近似に過ぎないと考えていました。しかし、絶対時間は直接観測することができないため、我々は相対時間を通じて、絶対時間を間接的に認識することしかできません。

プリンキピアにおける時間の役割

『プリンキピア』において、時間は運動を記述するための重要なパラメータとして扱われています。ニュートンは、物体の運動を記述する運動方程式において、時間を独立変数として用いています。

例えば、ニュートンの運動の第二法則は以下のように表されます。

> $F = ma$

ここで、$F$ は力、$m$ は質量、$a$ は加速度を表します。加速度は、速度の時間変化率、すなわち時間の二階微分として定義されるため、この式は時間が運動を記述する上で不可欠な要素であることを示しています。

時間と空間の絶対性

ニュートンは、時間と同様に、空間もまた絶対的なものであると考えていました。彼は、絶対空間を「それ自身で、またその本性上、あらゆる外部のものから関係なく、常に同じであり、不動である」と定義しています。

絶対時間と絶対空間は、『プリンキピア』における運動や重力に関する議論の基礎となる重要な概念です。

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