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ボブリンスキーのパレオアジアと言語

## ボブリンスキーのパレオアジアと言語

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ボブリンスキーの「パレオアジア」とは

ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ボブリンスキー(1890-1951)は、ロシアの言語学者、民族学者、考古学者であり、特にシベリアと北東アジアの諸言語の研究に貢献しました。彼は「パレオアジア」という用語を用いて、ユーラシア大陸の北東部(主にシベリア)に分布する、遺伝的関係が不明瞭な言語群を包括的に指しました。

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ボブリンスキーが「パレオアジア」に含めた言語

ボブリンスキーは、「パレオアジア」に以下の言語を含めました。

* チュクチ・カムチャツカ語族
* ユカギール語族
* ニヴフ語(ギリヤーク語)
* アイヌ語
* エスキモー・アレウト語族

これらの言語は、互いに系統関係が確立しているわけではありません。ボブリンスキーは、これらの言語が地理的に近接していること、および一部の言語に見られる類型的な特徴(膠着語、名詞の複数形がないなど)の共通点に基づいて、「パレオアジア」という仮説的な言語集団を提唱しました。

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「パレオアジア」概念への批判

ボブリンスキーの「パレオアジア」という概念は、その後、多くの言語学者から批判を受けることになります。主な批判点は以下の通りです。

* 言語学的証拠が乏しいこと
* 類型的な特徴の共通点は、必ずしも遺伝的な関係を示すものではないこと
* 言語接触による影響を考慮していないこと

現在では、「パレオアジア」は単一の語族を形成するものではないとされています。それぞれの言語は、独自の系統を持つと考えられています。

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