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ジョイスのユリシーズが関係する学問

ジョイスのユリシーズが関係する学問

文学研究

「ユリシーズ」は20世紀モダニズム文学を代表する作品として、文学研究において非常に重要な位置を占めています。
作品分析においては、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」との照応関係、意識の流れや内的独白といったモダニズム文学特有の技法、そしてダブリンの街並みやそこに暮らす人々の描写における写実主義などが主要なテーマとして挙げられます。
また、ジョイスの膨大な言語遊戯や神話、文学、歴史、哲学など多岐にわたる分野からの引用、そして性や排泄といった当時の文学ではタブーとされていたテーマへの言及などは、多くの学者を魅了し続けています。

歴史学

「ユリシーズ」は1904年6月16日という特定の1日を舞台に、当時のダブリンの街並みや人々の生活を克明に描写しています。
そのため、20世紀初頭のダブリンにおける社会状況、文化、風俗などを研究する上での貴重な資料としても位置付けられています。
特に、アイルランドの民族主義運動が盛んになりつつあった時代の雰囲気や、イギリスからの独立を目指す人々の思想や葛藤を理解する上で、「ユリシーズ」は重要な作品と言えるでしょう。

心理学

「ユリシーズ」は登場人物たちの意識の流れを克明に描写することで、人間の深層心理を探求した作品としても知られています。
フロイトの精神分析学の影響を受けたとされるジョイスは、登場人物たちの思考や感情、記憶などを断片的に、そして時に混沌的に描き出すことで、人間の意識という複雑な世界を表現しようと試みました。
特に、主人公レオポルド・ブルームの意識の流れは、人間の心理における性的衝動や劣等感、孤独感などを赤裸々に映し出しており、心理学研究においても注目されています。

言語学

ジョイスは「ユリシーズ」において、英語の語彙、文法、音声などを駆使した実験的な言語表現を展開しています。
造語、多言語の混用、言葉遊び、文語と口語の融合など、ジョイスの言語は非常に複雑かつ多層的で、多くの言語学者を魅了し続けています。
「ユリシーズ」におけるジョイスの言語実験は、20世紀の文学に大きな影響を与え、その後の言語芸術の可能性を広げるものとなりました。

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