## キルケゴールの死にいたる病のメッセージ
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絶望
キルケゴールは、本書において「絶望」を単なる感情ではなく、 **人間の存在そのものを脅かす、霊的な状態** として描いています。彼は、人間は自己意識と「自己でありたい」という欲求を持つがゆえに、常に「自己とは何か」「どのように存在すべきか」という問いから逃れられないと述べています。そして、この問いに対する答えを見つけられない状態、あるいは誤った答えに固執してしまう状態こそが「絶望」であると定義します。
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絶望の形態
キルケゴールは、絶望には様々な形態があると述べています。
* **無意識の絶望**: 自分自身が絶望していることに気づいていない状態。
* **絶望して自己でありたくないと思うこと**: 自分自身を否定し、別の何者かになりたいと願う絶望。
* **絶望して自己でありたいと思うこと**: 有限な存在であるにも関わらず、自己の力だけで完全であろうとする絶望。
これらの絶望は、いずれも自己と向き合い、真の自己へと至ることを妨げる障害として描かれています。
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信仰による克服
キルケゴールは、絶望からの唯一の救済は **「信仰」** によってのみもたらされると主張します。彼は、人間が自身の有限性を認め、無限なる存在である「神」に自己を委ねることによってのみ、真の自己と永遠の希望を見出すことができると説きます。
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自己と神の関係
キルケゴールは、自己と神の関係を **「信仰の飛躍」** という言葉で表現しています。これは、理性や論理を超えた、絶対的な神への献身を意味します。彼は、信仰とは単なる教義の受容ではなく、自己の存在をかけた、実存的な決断であると強調しています。
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