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プラトンのパイドン

プラトンのパイドン

メカニズム:魂と身体の関係性

パイドンにおいて、プラトンは魂と身体の関係性について深く探求し、魂の不死性を主張します。この主張を支えるために、プラトンはいくつかの議論を展開しますが、その中でも重要な役割を果たすのが「メカニズム」という概念です。

メカニズムとは、簡単に言えば、魂が身体を操作する仕組みのことです。プラトンは、魂は身体とは独立した存在であり、身体を操ることで、私たちが考えたり、感じたり、行動したりすることを可能にしていると主張します。

このメカニズムを説明するために、プラトンはいくつかの比喩を用います。例えば、魂を御者、身体を馬車にたとえ、魂が理性という手綱を用いて身体という馬車を制御する様子を描き出しています。また、魂を楽器奏者、身体を楽器にたとえ、魂が身体という楽器を奏でることで、様々な行為や思考を生み出す様子を表現しています。

これらの比喩を通して、プラトンは、魂が身体よりも上位に位置する存在であり、身体を支配する力を持っていることを示唆しています。そして、このメカニズムこそが、魂の不死性の根拠となるとプラトンは考えています。

なぜなら、もし魂が身体と同様に物質的な存在であれば、身体の死とともに消滅してしまうと考えられるからです。しかし、魂が身体とは独立した存在であり、身体を操作する力を持っているとすれば、身体の死後も魂は存在し続けると考えられます。

メカニズムと魂の不死性

パイドンにおけるメカニズムの概念は、単に魂と身体の関係性を説明するだけでなく、魂の不死性の議論においても重要な役割を果たしています。プラトンは、魂が身体を操作する仕組みを通して、魂が身体とは異なる独立した存在であることを主張し、それが魂の不死性を支持する根拠となると考えています。

ただし、メカニズムの概念だけでは、魂の不死性を完全に証明するには至りません。なぜなら、魂が身体とは独立して存在し、身体を操作する力を持っているとしても、身体の死後も魂が必ずしも存在し続けるとは限らないからです。

プラトン自身もこの点を認識しており、メカニズムの議論に加えて、想起説や魂の単純性など、他の議論を展開することで、魂の不死性をより確実なものにしようと試みています。

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