## シュムペンターの経済発展の理論に匹敵する本
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アダム・スミスの「国富論」
1776年に出版された「国富論」は、経済学の古典として広く認められています。この本の中でスミスは、分業、自由市場、そして「見えざる手」の概念を提唱しました。
スミスは、分業が生産性を飛躍的に向上させることを示し、自由市場では個々の経済主体の利己的な行動が社会全体の利益に繋がるという「見えざる手」のメカニズムを説明しました。
「国富論」は、経済学という学問分野を確立する上で重要な役割を果たし、その後の経済思想に多大な影響を与えました。重商主義からの脱却を促し、自由主義経済の基礎を築いた点で、シュンペーターの「経済発展の理論」と同様に、経済学の歴史における記念碑的な著作と言えます。
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カール・マルクスの「資本論」
1867年から1894年にかけて出版された「資本論」は、資本主義経済の分析を試みた壮大な著作です。マルクスは、労働価値説に基づき、資本主義社会における資本家階級と労働者階級の対立と搾取の構造を明らかにしようとしました。
マルクスは、資本主義経済は本質的に不安定であり、必然的に革命を通じて社会主義へと移行すると主張しました。
「資本論」は、資本主義経済への批判として、世界中の社会主義運動、共産主義運動に大きな影響を与えました。その後の経済学、社会学、政治学などの分野にも多大な影響を与え、現代社会の理解に欠かせない視点を提供しています。シュンペーターの「経済発展の理論」とは対照的な視点から資本主義経済を分析した点で、同じく歴史的名著として位置付けることができます。