ガリレオ・ガリレイの新科学対話に匹敵する本
「自然哲学の数学的諸原理」 アイザック・ニュートン
1687年に出版された「自然哲学の数学的諸原理」（プリンキピア）は、アイザック・ニュートンによってラテン語で書かれた、古典力学の基礎を築いた重要な著作です。この本の中でニュートンは、万有引力の法則と運動の法則を提唱し、天体の運動から地上の物体の運動までを統一的に説明しました。
「プリンキピア」は、近代科学の出発点とされ、その後の物理学、天文学、数学などの分野に多大な影響を与えました。ガリレオの「新科学対話」と同様に、数学的な証明に基づいた論理的な思考を用いて、それまでのアリストテレス的な自然観を覆し、近代科学の扉を開いた点で歴史的に重要な意味を持ちます。
本書は三篇からなり、第一篇では運動の三法則が、第二篇では流体中の物体の運動が、第三篇では万有引力の法則に基づく天体の運動が論じられています。ニュートンは、これらの法則を数学的な厳密さで証明し、ケプラーの法則やガリレオの落下法則などを導き出すことに成功しました。
「プリンキピア」は難解な著作としても知られており、出版当時は限られた人々しか理解できませんでしたが、その後、多くの科学者たちによって解説書が書かれ、広く読まれるようになりました。現代でも、科学史や物理学を学ぶ上で欠かせない古典として、世界中で読まれ続けています。