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モンテーニュのエセーの対極

## モンテーニュのエセーの対極

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モンテーニュのエセーの特徴

ミシェル・ド・モンテーニュの『エセー』は、16世紀後半にフランスで生まれた、近代随筆の先駆とされる作品です。

『エセー』は、古典的な教養に基づいた幅広い知識を背景に、日常生活や歴史上の出来事、個人的な内面世界まで、多岐にわたるテーマを自由なスタイルで論じています。

特徴的なのは、断定的な結論を避け、自己の内面を深く掘り下げながら、読者に対する問いかけを重視する点にあります。 「我、何を知るや」という言葉に象徴されるように、懐疑主義的な立場から、絶対的な真実や価値観を相対化し、人間の思考の多様性と複雑さを描き出しています。

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対極的な特徴を持つ歴史的名著

モンテーニュのエセーとは対照的な特徴を持つ歴史的名著は数多く存在しますが、その中でも特に対照的なものとして、以下のような作品が挙げられます。

#### 1.

デカルト「方法序説」

17世紀フランスの哲学者ルネ・デカルトの主著である『方法序説』は、体系的な合理主義に基づき、明晰で判明な真理を追求した哲学書です。

方法的懐疑と呼ばれる方法を用い、あらゆる先入観や偏見を排除し、理性的な思考によって確実な知識の基礎を築こうとしました。「我思う、ゆえに我あり」という有名な命題に代表されるように、自己の思考を起点とし、そこから神の existence や外界の存在を証明しようと試みています。

モンテーニュが断定を避け、自己の内面を探求することに重点を置いていたのに対し、デカルトは明確な定義と論理的な推論によって普遍的な真理を確立しようとする点で、明確な対比を示しています。

#### 2.

トマス・アクィナス「神学大全」

13世紀の神学者トマス・アクィナスの主著である『神学大全』は、スコラ哲学の金字塔と称され、アリストテレス哲学をキリスト教神学に取り込み、体系的な神学理論を構築した作品です。

神の存在証明や三位一体論、創造論など、キリスト教神学の中心的な教義を、理性的な論証を用いて詳細に解説しています。 その論述は厳密な論理性と体系性を特徴とし、中世ヨーロッパにおけるキリスト教的世界観を確立する上で、大きな影響力を持つこととなりました。

モンテーニュの自由な思索と相対的な視点は、『神学大全』のように、絶対的な真理に基づいた体系的な神学論を展開しようとする作品とは、根本的に異なるものです。

これらの作品は、モンテーニュのエセーとは対照的な立場や方法論を示す好例であり、比較検討することで、思想史における多様性と変遷をより深く理解することができます.

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