Skip to content Skip to footer

クロポトキンのフランス革命史の対極

クロポトキンのフランス革命史の対極

フランス革命の解釈における対立軸

クロポトキンの『フランス革命史』は、アナキズムの立場からフランス革命を肯定的に捉え、民衆の主体的な蜂起と革命の理想を高く評価した著作として知られています。一方、フランス革命については、その解釈をめぐり、クロポトキンの視点とは対照的な立場から書かれた歴史的名著も存在します。

ヒストワール・デ・デュー・フランス(フランス語版) / フランス二千年史(日本語版)

* **著者:** オーギュスタン・ティエリ
* **出版年:** 1823年-1844年(フランス語版)

オーギュスタン・ティエリの『フランス二千年史』は、フランス革命を「歴史の必然」と捉え、その流れの中で「フランス国民国家の形成」という側面を強く打ち出した作品です。ティエリは、フランス革命を、ローマ帝国時代からのガリア・ケルト人(フランス人の祖とされる)と、ゲルマン民族であるフランク人との対立と融合の歴史の延長線上に位置づけました。

フランス革命の省察

* **著者:** エドマンド・バーク
* **出版年:** 1790年

イギリスの政治思想家エドマンド・バークの『フランス革命の省察』は、フランス革命の混乱を目の当たりにした保守主義者の立場から、革命の暴力的側面や急進的な思想を厳しく批判した作品として知られています。バークは、伝統や経験の積み重ねによって形成された社会秩序の重要性を説き、フランス革命がもたらした急激な変化が社会に混乱と破壊をもたらすと主張しました。

フランス革命史

* **著者:** フランソワ・ギゾー
* **出版年:** 1826年

フランスの歴史家フランソワ・ギゾーは、ティエリと共に19世紀フランス史学を代表する人物です。ギゾーの『フランス革命史』は、フランス革命を「ブルボン王政の専制政治に対する、フランス市民階級による必然的な勝利」と位置づけ、立憲君主制の確立こそがフランス革命の目標であったと主張しました。

これらの歴史書に見られる共通点

これらの歴史書は、クロポトキンのように民衆の視点から革命の意義を見出すのではなく、政治史や思想史、社会構造の変化といった観点からフランス革命を分析しています。また、フランス革命を単なる「破壊」と捉えるのではなく、「フランス社会の転換点」として捉え、その後のフランス社会への影響を重視している点も共通しています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5